無題

小言

2021-01-01から1年間の記事一覧

主治医の役割

ある日の午後5時、当直が開始と同時にPHSがなった。 相手は若手の医師からで、入院中の重症患者について申し送りだという。 COVID-19の重症肺炎で入院中の高齢患者である。 酸素濃度がかなり低く、鼻から高流量の酸素吸入を行なっている。 申し送りの時点で…

選択的夫婦別姓について

ある日の午後、僕と一緒にペアで入院患者を受け持っている女医さん(独身)が、スマートフォンをみて憤慨していた。 最高裁の判決で選択的夫婦別姓が違憲ではないという判断が出た日である。「合憲ってどういうこと?おかしいでしょ!」真面目でテキパキとし…

We Rise なる宣言

私の地域でもコロナが本格的に増えてきてた。 また忙しくなる。 www.werise.tokyo 京都大学教授の藤井聡先生は以前から尊敬していたのだが、最近コロナに関してちょっとついていけないと感じている。 小生は表現者クライテリオンという雑誌が好きで毎月最新…

日本製なくなる

抗菌薬は2019年にセファゾリンという大事な薬剤が市場から消えた。 セファゾリンの原料となる物質が、中国とイタリアの工場で起きたトラブルが原因で手に入らなくなった。ある日、急に処方できなくなったのだ。 我が国でセファゾリンは手術前の感染予防…

人間的自然現象

昭和8年3月3日に三陸沖で大津波が襲来した(明治の大津波はその37年前に起きている)ことを受けて寺田寅彦は「津波と人間」という文章を発表している。 以下に長くなるが引用する。 同じような現象は、歴史に残っているだけでも、過去において何遍とな…

医者と働き方改革

誠に残念に思うことは若手の内科医から患者の主治医という意識がなくなったことである。 休みは休み。 自分の患者という意識がないから、受け持ち患者が急変しても知らないし、看取って貰った時に他の医者に対応してもらっても礼も言わない。週末に受け持ち…

効率的=合理的ではない

今回コロナが流行って思うことがある。 「黒字」病院が以外にもろいのではないかということだ。 当院は赤字病院である。医者の便所は和式である。病床利用率も7割よくて8割ぐらいで入院させたいときに入院できなかった経験が一度もない。 これまでの病院だ…

その怒りは本当の怒りか?

正義の主張は犯罪であると心得べし と福田恆存はどこかでいっていたが、まさにその通りだと思う。 正義には相手に対する怒り、ないし暴力がある。 正当化された暴力が正義に他ならない。 森さんの女性蔑視発言というのがあるが、あれはそんなに真面目に取り…

いまだ元凶は忘年会

またコロナの老人が入院してきた。 典型的な心不全の症状で救急搬送されて心不全の診断で、念のためとったコロナのPCRが陽性だった。 後から詳しく聴取すると、同居の孫が忘年会に行った。その後に孫が感冒様症状が出て、高齢者の患者が一時的に発熱し感冒様…

年末年始クラスター

私の地域では今コロナ感染がものすごいことになっている。 その原因としてもっとも多いのは忘年会や大晦日や正月に実家でみんなで集まってご飯を食べたことだ。 だいたいウイルス感染から発症(最初は微熱・倦怠感・咽頭痛・鼻水など感冒の症状)までの潜伏…

今年を振り返る

コロナが明るみにしたものは我々医者同士の協力の悪さだ。 仲が悪く喧嘩するならまだ良い。摩擦すら生まれない。 コロナ患者はどんどん増えて来ており、もうそこまで来ている 腹痛で受診しただけなのにコロナ陽性 予定手術前にはPCR陰性だったのに、手術後に…