無題

小言

不惑

明日で40歳だ。初老であり、不惑である。 医者になってまもない時期に悪性腫瘍で受け持った40歳ぐらいの患者から 30代は早いよ、本当にあっという間だよ。と言われたのを今でも覚えている。 確かにその通りだった。 もう30代もあと数時間である。 40代の自分…

Behind the mask

先日は内科学会地方会があった。 今回はオンラインでの開催となり、自宅のテレビで色々な発表を聞くことができ、時代の変化を感じた。 そこで印象深かったのは3割ぐらいの演者がマスクをしながら口演したことだ。 別に演者の傍には人がいないのでマスクは不…

ロハはヒトをダメにする

1年前から看護学校の授業を担当している。90分の講義を2回行う。 毎回授業前になると、別室に連れて来られて、これから授業をやるということで書類にサインをする。授業の準備のためにはかなりの時間を費やしている。 内分泌疾患についての話が担当なので、…

主治医の役割

ある日の午後5時、当直が開始と同時にPHSがなった。 相手は若手の医師からで、入院中の重症患者について申し送りだという。 COVID-19の重症肺炎で入院中の高齢患者である。 酸素濃度がかなり低く、鼻から高流量の酸素吸入を行なっている。 申し送りの時点で…

選択的夫婦別姓について

ある日の午後、僕と一緒にペアで入院患者を受け持っている女医さん(独身)が、スマートフォンをみて憤慨していた。 最高裁の判決で選択的夫婦別姓が違憲ではないという判断が出た日である。「合憲ってどういうこと?おかしいでしょ!」真面目でテキパキとし…

We Rise なる宣言

私の地域でもコロナが本格的に増えてきてた。 また忙しくなる。 www.werise.tokyo 京都大学教授の藤井聡先生は以前から尊敬していたのだが、最近コロナに関してちょっとついていけないと感じている。 小生は表現者クライテリオンという雑誌が好きで毎月最新…

日本製なくなる

抗菌薬は2019年にセファゾリンという大事な薬剤が市場から消えた。 セファゾリンの原料となる物質が、中国とイタリアの工場で起きたトラブルが原因で手に入らなくなった。ある日、急に処方できなくなったのだ。 我が国でセファゾリンは手術前の感染予防…

人間的自然現象

昭和8年3月3日に三陸沖で大津波が襲来した(明治の大津波はその37年前に起きている)ことを受けて寺田寅彦は「津波と人間」という文章を発表している。 以下に長くなるが引用する。 同じような現象は、歴史に残っているだけでも、過去において何遍とな…

医者と働き方改革

誠に残念に思うことは若手の内科医から患者の主治医という意識がなくなったことである。 休みは休み。 自分の患者という意識がないから、受け持ち患者が急変しても知らないし、看取って貰った時に他の医者に対応してもらっても礼も言わない。週末に受け持ち…

効率的=合理的ではない

今回コロナが流行って思うことがある。 「黒字」病院が以外にもろいのではないかということだ。 当院は赤字病院である。医者の便所は和式である。病床利用率も7割よくて8割ぐらいで入院させたいときに入院できなかった経験が一度もない。 これまでの病院だ…

その怒りは本当の怒りか?

正義の主張は犯罪であると心得べし と福田恆存はどこかでいっていたが、まさにその通りだと思う。 正義には相手に対する怒り、ないし暴力がある。 正当化された暴力が正義に他ならない。 森さんの女性蔑視発言というのがあるが、あれはそんなに真面目に取り…

いまだ元凶は忘年会

またコロナの老人が入院してきた。 典型的な心不全の症状で救急搬送されて心不全の診断で、念のためとったコロナのPCRが陽性だった。 後から詳しく聴取すると、同居の孫が忘年会に行った。その後に孫が感冒様症状が出て、高齢者の患者が一時的に発熱し感冒様…

年末年始クラスター

私の地域では今コロナ感染がものすごいことになっている。 その原因としてもっとも多いのは忘年会や大晦日や正月に実家でみんなで集まってご飯を食べたことだ。 だいたいウイルス感染から発症(最初は微熱・倦怠感・咽頭痛・鼻水など感冒の症状)までの潜伏…

今年を振り返る

コロナが明るみにしたものは我々医者同士の協力の悪さだ。 仲が悪く喧嘩するならまだ良い。摩擦すら生まれない。 コロナ患者はどんどん増えて来ており、もうそこまで来ている 腹痛で受診しただけなのにコロナ陽性 予定手術前にはPCR陰性だったのに、手術後に…

ようこそ日本へ

コロナがたくさん入院しているが、外国人が多い。 というかアジア系の外国人が8割以上占めている。 外国人の集まる学校でクラスターが起きている。 当初はケシカランと思ったものだが、いざ直接話をしてみると、嫌な感じはせずむしろ真面目な好印象を受けた。(…

コロナ医療崩壊とはいうけれど

私の病院には自分はコロナは私たちには関係ないという誠に冷たい医者がたくさんいる。 結局みんなで一丸となって、力をあわせてコロナに立ち向かうという体制には全然なっていない。 他の病院はどうかというと、まだコロナの患者はみないという病院がまだあ…

リモート

対象から離れれば離れるほどいい加減になり、非情になれる。 リモートの負の側面について述べたい。 オンライン診療なるものが出て来ており、小生もやっているのだが、結構それで誤診をすることがある。 例えば、「発熱+息苦しさ」という症状だったとすると…

なんちゃって対策

僕はテレビ番組でマウスシールドをつけている人を見ると、見るに堪え兼ねて僕はチャンネルをかえる。 マスクがわりのプラスチックのマウスシールド 店に入る時の体温測定 車の中での一人マスク 釣り銭の手渡し禁止 お金の紫外線照射 コロナがでた店の一斉消…

なんちゃって対策

僕はテレビ番組でマウスシールドをつけている人を見ると、見るに堪え兼ねて僕はチャンネルをかえる。 マスクがわりのプラスチックのマウスシールド 店に入る時の体温測定 車の中での一人マスク 釣り銭の手渡し禁止 お金の紫外線照射 コロナがでた店の一斉消…

いわゆる「大阪都構想」

明日ついに決まる大阪市廃止・特別区設置住民投票 大阪都構想の投票ではない。 私は栃木県の人間なので、岡目八目の立場なのだが、今回の「大阪市廃止」が賛成多数で可決された場合、大きな流れが変わると思っている。一つの政令指定都市が廃止されて区に分…

便利狂・改革狂

当直開けで眠いところ医局でテレビをみながら朝食を食べていたら 婚姻・離婚にハンコが必要かどうかという話をしていた。 2時間も待たされて苦痛だったから廃止すべきだ。 実家にハンコを取り寄せるのに大変だったのでオンライン化したら良いと思う。 私の…

医者ですらこの体たらく

我が病院は手術を控える患者全例に対してコロナウイルス PCRを提出するという。 その理由を聞いてみると「他の病院もやっているから」 検査というものは、陰性か陽性かという結果がでる。 結果の解釈が重要である。 解釈は機械的なものではなく、人間が行う…

メカニカルな笑い

ズームなるものが出てきて勉強会やカンファレンスがズームになった。 そこで椿事が起きた。 医局(医者どもが集まる部屋)の中のあちこちから引きつった笑い声が聞こえるようになった。 小生にはこの笑い方には生理的に堪えられない。 これまでにはこう言っ…

アビガンの臨床試験について

https://www.fujita-hu.ac.jp/news/j93sdv0000006eya.html https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCTs041190120 アビガンの臨床試験について藤田医大から最終報告のプレスリリース(7月10日)があったことは記憶に新しい。この試験について期待してい…

機械あるものは必ず機事あり 機事あるものは必ず機心あり

先日仕事が終わってバスに乗ったところ 女子高生が20人ぐらい乗っていた。同じ制服を来ていたので近くにある学校の生徒だろう。 1人か2人の寝ていた者を除いて全員が黙ってスマホをやっていた。非常に不気味な光景だった。皆がマスクをしていたから余計…

コロナが明るみにしたもの

「もうアホみたいだ。」というのが率直な感想である。 私は内科医をしている。コロナを診断し、受け持っている。救急車を受け入れたり、一般的な診療も並行している。が、仕事がやりにくくて仕方がない。その根本原因は人間関係の希薄化にあると思う。 以下…